GI値が低い食品を鵜呑みにしてはいけない5つの理由

GI値と血糖値

ダイエットに興味があったり、血糖値が高め、あるいは糖尿病予備群になると、「GI値」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?

すでに内容も知っているという方もいらっしゃると思います。

しかし、正しく理解して利用している人は意外と少なくて、もしかしたらあなたも「GI値」を鵜呑みにして間違った食事をしているかもしれませんよ。

そこで今回は、GI値の正しい理解と、気をつけなければならないGI値の落とし穴について、お話しします。

GI値とは何か、どのように算出するのか

GI値の算出方法は分かっているという場合は、ここは読み飛ばして頂いて結構です。

GI値とはGlycemic Index(グリセミックインデックス。グリセミック指数)の略で、食品ごとに摂取後の血糖値がどのように上昇するのかをグラフ化し、糖質の吸収度合い、早さ、血糖値の上がりやすさを、基準となる食品の値と比較して数値化したものです。

基準値となる食品にはブドウ糖を使うのが基本ですが、欧米では白パン、日本ではご飯(白米)が使われることもあります。

GI値の算出方法は次の通り。

  • 食品の糖質50g分を含む量を摂取した後2時間、血糖値が時間によって変化する様子をグラフとして描き、その曲線が描いている面積を計算します。スタート時の血糖値から上の部分の面積のみで、下は無視します。
  • これを同様にブドウ糖で行ったときの面積を100として、相対的な値で表します。

図で表すと下のようなイメージです。正確なグラフではありません。

GI値のグラフ

計算式は、GI値=Aの面積÷基準値Bの面積×100

曲線が違っても面積が同じなら、GI値は100です。

Aの面積が少ないほどGI値は低くなって、血糖値が上がらない食品ということになります。

 GI値の何が問題なのか

それではここから、すんなりとGI値を信用してはいけない理由を取り上げていきます。

ピークの血糖値はGI値では分からない

一般的には、糖質の吸収が早くピークの血糖値が高ければ、面積も広くなりますので、高GI値ならピーク時血糖値も高いのが普通ですが、あくまで面積で計算しますので、ピーク時血糖値の高さを表すものではありません。

極端な話、ドーンと血糖値が上がって、すぐに下がってしまえば、面積はそれほど広くはならず、低GI値になるからです。

食品単体と実際の食事での食後血糖値は違う

単体で食べることが多い食品なら、GI値は有効でしょう。

例えば白米と玄米。玄米を食べた方が食物繊維が豊富でGI値は低く、血糖値の上昇は緩やかになります。

しかし実際の食事では、野菜を先に食べるといった食べる順番や、海藻やきのこと一緒に食べるといった食べ合わせで、血糖値の上昇を抑えることもできます。

また、早食いをするか、ゆっくり食べるかでも、血糖値の上昇度合いは変わります。

当然、早食いやドカ食いをした方が血糖値は上がりますので。

茹でたり焼いたりといった、調理方法でもGI値は変わります。

要は食品のバランスや食べ方が大変重要なのです。

糖質量が食品によって違う

GI値はその食品1食分あたりではなく、その食品に含まれる糖質50gあたりで比較しています。

例えばスイカのGI値は果物の中では高く、60くらいあります。

しかしスイカ100gあたりの糖質量は9gくらい。

白米ごはん100gあたりの糖質量は37gくらいありますから、スイカは約4分の1です。

スイカだけを食べて糖質50g摂取しようとすると、可食部で600gくらい食べなければいけません。一度にそんなに食べませんよね。

GI値でスイカを敬遠する必要はないのです。

糖質50gご飯とスイカの比較

あるいは、味噌(みそ)とトマトケチャップは、どちらもGI値30くらいで低いですが、糖質量はトマトケチャップの方が約3倍あって、大さじ1杯で約4gあります。

トマトケチャップの使い過ぎは気にしたほうが良いですね。

肉や魚に至っては、糖質量が極端に少ないのでGI値を測る意味もありません。

調味料やフライの衣に注意した方が良いです。

たくさん食べれば糖質量は当然増える

白米よりは玄米、うどんよりは蕎麦(そば)の方が低GI値なので、玄米や蕎麦を食べていれば太らないし糖尿病にもならないのでしょうか?

確かに低GI値の方がエネルギーとして消費されやすく脂肪に溜まりにくいということはありますが、糖質量はどちらもほとんど同じです。

たくさん食べれば余りますから、脂肪に溜まりますよ。

糖尿病予備群では条件が違う

忘れてならないのは、GI値というのは血糖値が正常な人のデータだということです。

そもそも血糖値が高い人は、ブドウ糖の処理がうまく出来ない人、インスリンがうまく働かない人なので、低GI食品でも油断はできません。

仮に少しずつ少しずつ食べて食後高血糖を抑えられたとしても、たくさん食べて結果的に糖質を取り過ぎたら、糖尿病リスクは高まります。

つまり、GI値はあくまで参考値でしかないのです。

食品ごとのGI値は、ネットで検索すればいろいろ出てくるので、ここでは取り上げません。

基準となる食品がブドウ糖か白米ごはんかなど、測定条件でも違いが出ます。

GI値に神経質になるよりも、ご飯・パン・麺類の炭水化物とスイーツなどの甘いものを控えることの方が効果的と思います。

低インシュリンダイエットが間違っている理由

ついでにお話しますが、「低インシュリンダイエット」というのがあって、これはGI値が低い食品を食べていれば太らない、痩せるというものですが、これも正しくありません。

(「インスリン」と表記するのが普通ですが、「低インシュリンダイエット」でした)

「低インシュリンダイエット」の理屈はこうです。

ブドウ糖をエネルギーとして取り込むのはインスリンで、たくさん取り込んで余った分は脂肪に蓄えられる。つまり太る。

だからインスリンをたくさん出させなければいい。

そのためにはGI値が低い食品を食べていればよい。

カロリーは気にしなくてよい。

中にはインスリンが脂肪を溜め込む「肥満ホルモン」だという暴走した記述も発見したことがあります。

ここまで読んで頂いたら、お気づきかもしれませんが、太る理由は炭水化物の取り過ぎで、高GI食品が理由ではありません。

高GI食品である白米やうどんを避けて、タンパク質や脂質をバランス良く摂れば、結果的にダイエットがうまくいったということになるでしょう。

しかしそれは、「糖質を制限した」からです。

「低インシュリンダイエット」はアメリカの「アトキンスダイエット」を改良したものだという記述も見られますが、アトキンスダイエットは「低炭水化物ダイエット」です。

しかも大変厳しい糖質制限なので危険だと言われるくらいです。

低インシュリンダイエットは、この糖質制限の前提部分が抜け落ちて、GI値が一人歩きしてしまったような感じがします。

特にインターネットの情報というのは気をつけなければいけませんね。