血糖値が気になりだすと、「300とか500mg/dlになると、どういう症状が起きるんだろう?」と考えることがあると思います。
「800とか1000mg/dlなんてこともあり得るんだろうか?」と考えることもあるでしょう。
今回は、そんな疑問にまとめてお答えしたいと思います。
血糖値200mg/dl程度なら自覚症状なし
血糖値の正常値をおさらいすると、空腹時血糖値で110mg/dl未満、食後血糖値やブドウ糖負荷試験でも140mg/dl未満です。
(※ブドウ糖負荷試験は、わざと糖分を与えた後2時間までの血糖値を測るもので、食後血糖値に近いもの。)
糖尿病予備群というのが、空腹時血糖値110~125mg/dl、ブドウ糖負荷試験で140~199mg/dlです。
つまり、空腹時血糖値126mg/dl以上やブドウ糖負荷試験200mg/dl以上なら糖尿病なわけで、どんな時にせよ、300mg/dlというのは、かなり進んだ糖尿病であるということをまずご理解ください。
食後高血糖でも300mg/dlはなかなかなりません。
基本的に糖尿病予備群や初期の糖尿病は、「無自覚」です。
200mg/dl程度ならほとんど自覚症状はありませんので、放置してしまうのが一番危険なのです。
異常な高血糖での症状
血糖値が300mg/dl以上になると、どういった症状になるのかを順番に整理してみました。
血糖値が300mg/dl前後での症状
300mg/dlでの症状は、人によっては250だったり400 mg/dlだったりします。
のどが渇く→水をたくさん飲む
血液中の糖分が多すぎるので、なんとか水で薄めようという、脳の生理的反応です。
間違っても糖質が入ったスポーツドリンクやジュースみたいなものを飲んではいけません。
逆に血糖値が更に上がり続けて、危険な状態になります。(ペットボトル症候群と言われる状態と同じ)
尿がたくさん出る、何度もトイレに行く
水をたくさん飲めば、当然ですね。
腎臓が頑張って、尿とブドウ糖を排泄しているわけです。(尿糖が出る)
眠くなる(眠気に襲われると言った方がよい)
糖は脳のエネルギー源です。ブドウ糖が血液中に溜まったまま、うまく取り込めない、尿と一緒に出ていくなどで、急に脳の活動が低下するから集中力が無くなり眠くなるのです。
お腹が空く(空腹感に襲われる)
脳がエネルギー不足になると、食べて補給しなければいけないと勘違いします。
ですので、食後まだそれほど時間が経っていないにもかかわらず、空腹感が出てくるのです。
身体がだるくなる(倦怠感を感じる)
エネルギー代謝がうまくできない状態です。
体重が減る(異常に痩せる)
高血糖が度々続くようですと、体重減少が起きます。
結果的には糖質制限で痩せるのと同じですが、こちらは食べても血糖値が上がるだけでエネルギーとして取り込めない状態なので、病的に痩せていきます。
血糖値が500mg/dl以上での症状
血糖値は場合によっては800、900、1000mg/dlになることもありますが、いずれも同じ症状に至ります。
吐き気がする、嘔吐する(吐く)
意識がなくなる
昏睡状態になる
これらの症状は、「糖尿病性ケトアシドーシス」という危険な状態です。
脳は通常、糖をエネルギー源にしますが、糖の供給が止まってしまうと、肝臓で作られる「ケトン体」という代替品をエネルギー源にします。
このケトン体が、高血糖で過剰に作られると、血液が酸性にかたむいて、糖尿病性の「ケトアシドーシス」という状態になります。(血液のpHは通常7.4)
「ペットボトル症候群」も同じ状態です。
こうなると、緊急入院して治療しなければ、下手をすると死に至ります。
糖尿病の、その他の症状
いかがですか?高血糖は恐ろしいですね。
異常な高血糖に限らず、糖尿病の症状としては、他にもあります。
ニキビや吹き出物といった皮膚のできもの
これは糖尿病で白血球の働きも低下して、免疫力が落ちることから、感染症にかかりやすいというのが原因です。
ニキビや吹き出物も、感染症の一部ですから。
体臭や口臭
別の記事で詳しくご説明しましたが、体臭はケトン体によるもの。
口臭は喉の渇きによる細菌の増殖が主な原因です。
最後に~合併症を起こさないこと~
糖尿病は、合併症さえ発症しなければ、命の危険もなく、長寿を全うすることも可能な病気です。
そのためには血糖値をコントロールし続けることです。
最近は2型糖尿病に対するインスリン投与には否定的な見解も出ていますので、「糖質制限」が基本となるでしょう。
(インスリン投与が合併症を引き起こすという説)
その際、筋肉を落とさないようにするのも大事です。
血糖値200mg/dl程度なら症状が出ないので、油断すると大変です。
合併症は長い年月をかけて突然発症しますので、そのときには手遅れです。
合併症には、神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の三大合併症の他に、糖尿病性ED(勃起不全)などもあります。
自分の身体は自分で守りましょう。
血糖値を下げるサプリやお茶は、こちらの記事を参考に。