糖尿病患者の8割はED(勃起不全)になる!?どうすればいい?

ED(勃起不全) 血糖値と糖尿病のコラム

いきなり衝撃的な数字ですが、ご説明しますね。

糖尿病の合併症といえば、糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症の3大合併症が有名ですが、実は発症率からすると、糖尿病性ED(糖尿病患者でEDが合併症として発症しているケース)も同じくらい多いんです。

※EDとはErectile Dysfunctionの略で「勃起不全」「勃起障害」「インポテンツ」のこと

 

EDの人全体で言うと、1998年の疫学調査によれば成人男性の約25%が完全に立たないか、もしくは時々立たない中度のEDだそうです。

たま~に立たないことがあるという軽度EDまで含めると、約半数の男性だそうですからちょっと驚きですね。

 

それが糖尿病患者のEDとなると、健常者の2倍から3倍と言われていますので、約半数が完全EDか中度のEDということになります。

一般的に高齢になるとEDは増えますから、60代以上に絞ると、糖尿病患者の70%から80%になるでしょう。

男性の高血糖にとっては、怖い数字ですね。

 

どうすればそうならずに済むのか、糖尿病とEDの関係から分かりやすくご説明していきましょう。

糖尿病だとなぜEDになりやすいのか?

勃起のしくみからポイントを知る

勃起の仕組みを理解すると重要なポイントが分かりますので、分かりやすくご説明します。

1. 脳が性的刺激を受けて興奮する。

刺激と興奮には、視覚や聴覚からの情報や想像(妄想かな?)による心理的な興奮と、触られることによる物理的な興奮、あるいはその両方の場合があります。

2. 脳の興奮が中枢神経に伝わり、陰茎海綿体に届く。おチンチンの組織ですね。

3. 海綿体の動脈を囲む陰茎平滑筋という筋肉がゆるみ、動脈が拡張して血液が大量に流れ込む。

平滑筋は自律神経やホルモンに支配されているので自分の意志では動かせない筋肉(不随意筋)です。

4. 海綿体に血液が充満することで固くなって勃起する。

勃起すると、海綿体から血液が出ていく静脈が圧迫されてふさがるので、興奮が冷めるまで勃起が持続されることになります。

糖尿病性EDはこうしてなる

さて、もうお気づきかもしれませんが、正常に勃起するには「中枢神経」「自律神経」「動脈の血流」が、たいへん重要です。

まず糖尿病で最初に現れる合併症が神経障害ですから、それによって性的刺激が脳から陰茎に伝わりづらくなります。

 

次に、陰茎平滑筋は収縮系と弛緩系の自律神経バランスで制御されていますが、インスリン欠乏やインスリン抵抗性の増大は、弛緩系に対してマイナスに働くと言われています。

弛緩系の障害は加齢によっても現れますので、高齢の糖尿病性EDは更に増えるのです。

具体的には、酸化ストレス(活性酸素)や、弛緩系に必要な酵素とL-アルギニンの減少が原因になったりします。

 

そして、糖尿病における典型的な症状の一つである動脈硬化もEDの原因になります。

動脈硬化で血流が低下するのが理由ですが、特に陰茎海綿体の毛細血管は非常に細いので、陰茎動脈から内腸骨動脈にかけての動脈硬化が起こると、勃起機能が大幅に低下するのです。

 

また名古屋市立大学大学院医学研究科の木村和哲教授の文献によると、「慢性腎不全患者の 20-50%が性機能障害を訴えており、そのうち、透析を施行している患者の 45%がEDに罹患していると言われている。」とのこと。

つまり糖尿病性腎症まで発症してしまうと、更にEDの可能性が高まるということですね。

EDの種類と糖尿病

ここまでご説明してきたような、身体的機能の障害が原因で起こるEDを「器質性ED」と呼びます。

しかし最も多いEDの種類は「心因性ED」です。

「心因性ED」は「機能性ED」とも呼びますが、ストレスとか、過去に立たなかったときの記憶やショックな出来事によるトラウマなど、様々な要因があります。

症状も完全に立たないだけではなくて、マスターベイションでは立つけど奥さんとは立たないみたいな、特定の状況で立たないのも心因性EDです。

ですから、糖尿病でEDになったからといって器質性EDとは限りません。

例えば糖尿病だからEDになると心配しすぎて、本当に立たなくなったら、それは心因性EDです。

実際には糖尿病による障害と何らかの心因的な要因が重なったケースがたくさんあります。

こういったケース、つまり器質性と心因性が重なったEDは「混合性ED」と呼びます。

「糖尿病性ED」は、むしろ「混合性ED」の方が多いのではないでしょうか?

 

その他に「薬剤性ED」というのもあります。

「薬剤性ED」は薬の副作用としてEDを発症しているものですね。

降圧剤や血管拡張剤、筋弛緩剤、抗うつ薬なども「薬剤性ED」になる可能性があります。

まとめ - 糖尿病性EDにならないために

これまでご説明してきたように、糖尿病性EDの予防とは、まず合併症の初期症状である神経障害に注意することと、動脈硬化を防ぐことです。

動脈硬化は糖尿病に限らず、他の病気やストレス、加齢、肥満、飲酒や喫煙など、様々な危険因子がありますので、基本的には食べ物や運動などの生活習慣が重要ですね。

 

それと、EDをあまり心配しすぎないことです。

SEXは体調によってもうまくいかないことがありますから、それを糖尿病のせいだと思いこんでしまったら、心因性EDの要因になることもありえます。

 

最後に、もしEDの疑いが出たら、泌尿器科へ行くのが良いと思いますが、適切な判断と治療を受けるために、高血糖や糖尿病であることは申告すべきです。

 

治療薬についても、バイアグラやレトビラ、八味地黄丸、柴胡加竜牡蛎湯、牛車腎気丸などの漢方薬を自分で手に入れることが出来ますが、ちゃんと病院で処方してもらって、量を守ることをお薦めします。

EDになると面倒ですよ。

 

 

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